【独立FPが語る】持ち家vs賃貸

最近不動産屋さんから営業の電話がたくさんかかってきます

営業の大変さはよく分かるので時間がある時は無視をせずに一応話を最後まで聞いています

 

その中でよく出てくる会話です

「今賃貸にお住まいならその家賃よりも住宅ローンの方が月々お安く…」

「毎月支払ってる所得税の還付が受けられ節税になる…」

「マンションを買う事によって老後の資産や生命保険の代わりに…」

 

などなどの切り口でマンション購入を提案されています

 

それはさておき僕の連絡先は一体どこで入手したのか聞いてみると、顧客リストを売っている業者さんから買ったとの事で驚きました!

みなさんも普段いろんなサイトに会員登録してると思いますが、そこに登録した個人情報は顧客リストとして売買されている見たいです

 

 

賃貸にお住まいの人は一度は考えた事があるんじゃないですか??

毎月の家賃×12ヶ月×余命はと…

 

家買えるじゃん!!

 

結局持ち家と賃貸はどっちがいいのかというのが今回のテーマです

 

 

まずは毎月の支払いで比較します


 

家賃10万円の賃貸マンションを購入するとだいたい3000万くらいです

これを住宅ローン(固定金利1.5%35年)組んだ場合毎月の返済額は約9.2万円です

 

 

基本的に家賃価格は購入金額から利回りの逆算で算出されてますのでやや割高に設定されます

単純な比較だと買ったほうが毎月の支払いはやや安い、もしくは同じ負担額なら買った方がグレードはいいと言うことになります

 

 

ちなみに不動産営業マンはこの簡単な比較で提案してきますが、これだけで買った方がお得じゃん!!っと判断するにはかなり浅はかです

 

 

次に総額の比較です


賃貸の人が払う費用は

毎月の家賃の他に敷金、礼金、仲介手数料、管理費、更新料です

 

持ち家買主が払う費用は

毎月の住宅ローンの他にローン諸経費、購入諸経費(仲介手数料、登記費用など)、火災保険、固定資産税、修繕費用、リフォーム費用

 

漏れてるものがあるかもしれませんが大体こんなもんだと思います

 

全く同じ部屋を大卒社会人3年目で住宅ローンが組めそうな26歳のタイミングから一生住み続けるという設定で比較してみましょう

 

賃貸 家賃10万×12ヶ月×60年(平均余命)=7200万

これ+α家賃以外の費用がかかります

 

次に持ち家です

総返済額約3,800万+ローン以外の費用がかかります

 

これだけ見るとやはり持ち家の方がお得となりますがこのシミュレーションはかなり非現実的です

 

というのも、まず賃貸に関しては家賃の下落要素を盛り込んでいません。30年後の家賃がずっと変わらないなんてことはあり得ませんね

そもそも一生賃貸に住み続けるとして同じ部屋に住み続ける人なんていませんよね?

独身時代は手狭な1Rや1Kで事足りても家族ができたり、子供が家を出たりで間取りは変わっていくのが普通かと思います

 

そして持ち家の場合ローン総額以外支払いがかなり多いですし、リフォーム費用に関しては個人の意向によってかなり幅があるのと、一生住み続けるとなると修繕費用もかなり高額となるでしょう

 

この辺りの要素を盛り込むとどちらもさほど変わらない可能性があります

 

よく賃貸は借り物だけど持ち家は自分の物になる、資産になると言う人がいますが

築40年以上の物件に資産価値がどのくらいあるのでしょうか

その築古物件は果たして資産と呼べるものでしょうか

逆に売るに売れないけど固定資産税はきっちりかかる負債になっている可能性はないですか?

 

地方の一軒家を土地付きで買う場合、土地の値段は下落しにくいので資産になると考える場合、それは売れて初めて資産です

子供に残したいと思う気持ちがある場合、活用しやすい土地なら受け継ぐ子供の立場からしても嬉しいが、そうでない場合は正直いらないとなりかねない

駅近一等地ならまだしも田舎の土地は非常に売りにくく、持ち続ければ固定資産税が毎年きっちりかかり、強引に手放そうものなら家の解体費用を引かれた上にかなり安く叩かれます

 

 

次に持ち家と賃貸のメリットデメリットで見ていきましょう


持ち家メリット

  • 家賃よりも住宅ローンの毎月の支払いがやや割安
  • 住宅ローンが使え、住宅ローン控除が受けられる(住宅ローン控除は現在の日本において最強の税優遇措置です)
  • ローン完済後は月々の負担が無くなる
  • 住宅ローン債務者が万が一亡くなると保険適用でその後のローン支払いが無くなる
  • 現金一括の場合は固定費がかからない
  • 自由にカスタマイズできる
  • 周りから一目置かれる

デメリット

  • ライフスタイルの変化(出産、転勤転職、失業、減収、離婚など)に対応しにくい。ときには足かせになる事も
  • 住宅ローンが払えなくなり家を手放す場合借金が残る可能性がある
  • 住み始めた瞬間から建物は劣化が始まり価値は減少していく
  • 天災や劣化により修繕が度々必要になる(3.11では家が全壊しローンだけ残ってしまうケースが起きました)
  • 不要になった時に簡単には処分できない
  • 誰も住まなくなったとしても固定資産税は毎年必ずかかる

 

賃貸のメリット

  • ライフスタイルの変化に合わせて気軽に住み替え可能
  • 負債を抱えるリスクがない
  • 最終的な出口や手離れを考えなくていい

 

デメリット

  • 持ち家に比べ割高
  • 住み替える度に引っ越し、入居費用がかかる
  • 部屋のカスタマイズに制限がある
  • なんとなく半人前感がある
  • 毎月の支払いは常にある

 

まだまだありそうな気もしますが今パッと浮かんだものを並べてみました

僕の主観だとライフスタイルの変化というのが一番のキーポイントになってきます

 

ちなみに僕は社会人になってから今まで5回住み替えています

更新を迎える度に引っ越しているので2年に一回家が変わります

仕事をするエリアの変化や収入の変化、そして何より気分の変化に合わせて場所も間取りも都度変化させます

人の気持ちっていうのは本当によく変わるもんだなと引っ越しの度に思います

今の家ではとうとう家具までもレンタルになりました

これで引っ越しも一気に楽になり、新しい部屋に合う新しい家具も簡単に揃います

おそらく今後も結婚や出産などのライフスタイルの変化は必ず起こるだろうし、そうなれば自分以外の奥さんや子供のライフスタイルの変化も加わるわけで、ずっと同じ間取り同じエリアに留まることの方が非現実的かと思います

この変化に都度柔軟に対応していきたいので僕にとっては持ち家を持つメリットよりも賃貸が上回ります

 

しかし一つの拠点で定住していきたいという方や老後に毎月の支払いがある事に不安を感じる方からすると、引っ越しのわずらわしさも老後の家賃もなく持ち家の方が有利です

 

そして家には「住む」という機能性以外にも様々な役割があったりします

例えば夫婦共通の目標だったり、決意だったり、責任だったり、カスタマイズする楽しみだったり、家族との思い出だったり、ステータスだったり、夢やロマンだったり、子供達の帰る場所だったり

このような部分も考慮していくと一概に合理性だけでは決められないのが「家」であり、今もなお持ち家vs賃貸という論争が決着せずに続いているのかなと思います

 


まとめ

みなさんが今後どんな生活をしていきたいかで選択は変わります

変化やリスクに合わせて住み替えていく賃貸か

家を中心に生活を合わせていく持ち家か

ちなみに僕は賃貸派です!

 

持ち家購入を考えている人は返済能力はもちろんの事、手放す事を想定して選ぶ事ができると持ち家のリスクを減らせます(実際購入を検討している時はウキウキなので手放す想定はテンション下がりますが…)

住まなくなった時に貸せるのか

売りやすい物件なのかなどなど

コメント

  1. k より:

    自分のライフスタイルに合ってる方がどちらなのか診断してください!

  2. こわた より:

    一軒家を建てるべきだと思っていましたが、今は、賃貸派になりました。Dinks→妊娠・出産→子供の巣立ち→老後二人→老人ホーム…の流れ、この一連の流れを全て固定されたひとつの家では厳しいのかなと思い始めましてね。その時々の生活スタイルに合わせて家をチョイスしようってことになりました。退職後は、もしかしたら、海外に住みたいって思うかもしれないし。旅するように人生を送りたい。家のために働くのではなく、「家」はあくまでも道具のひとつって思ってます。一軒家が「負動産」になるかもしれないですし。一番いいのは物の資産を持つよりも、お金で持っているのがが一番って。

    • shigetatetsuya より:

      家のために働くのではなくあくまで道具
      とても共感できます!

      以前旦那様が家の購入を検討していたようだったのでその後どうかなと気にかけていたところです

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