投資用マンション販売業者から「節税になるからマンション投資しないか?」と提案があったが、果たして本当?この提案に乗った方がいいのかな?
結論は、節税に「は」なります!
ただ、提案には乗らない方がいいです
節税に「は」の「は」が強調されてる部分が気になるな、、、
確かに節税にはなりますが、この話には続きがありますので最後まで読んだ上で判断した方がいいです
✔︎記事の内容
- なぜ投資用マンションが節税になるのか?【マイナスの不動産所得】
- そもそも節税する目的とは?【より多くのお金を残すため】
- 業者の提案に乗るべきか?【否!】
なぜ投資用マンションが節税になるのか?【マイナスの不動産所得】
それは不動産所得がマイナスになり、そのマイナス分を会社員としての給与所得から引いて税金の計算がされるからです
例えば年収600万円の会社員の場合、所得税住民税の合計額は年間約50万円ですが、この会社員の所有している不動産が年間100万円赤字だったとすると所得税住民税の合計額は約30万円となり20万円の節税効果という話になります
不動産投資においてマイナス所得になる大きな要因の一つが減価償却費です。減価償却費の詳しい説明は割愛しますが、簡単に言うと不動産の建物価格を分割して毎年経費にできるというものです
例えば建物価格2000万円の新築鉄筋コンクリート造のマンションの場合、耐用年数の47年で分割し毎年42万円ずつ経費にすることができます
その他にも不動産を取得するにあたりかかった費用や、運営していく上での費用、ローンの利息部分も経費にすることができます
そんなこんなで毎月の家賃収入よりもこれらの経費が多くなると結果不動産所得はマイナスとなり、そのマイナス分を会社員の給与所得から引くことができて結果税金が安くなるという仕組みです
節税になる仕組みは分かったけど、それってつまり不動産投資自体がマイナスになってるということだよね?それっていい事なの?
いいところに気が付きましたね!掘り下げて解説していきます
そもそも節税する目的とは?【より多くのお金を残すため】
節税するそもそもの目的は、より多くのお金を残す事だと思います
確かに不動産投資をすることにより、不動産所得がマイナスとなり節税効果はありますが、トータルでマイナスになってしまっては意味がありません
むしろやらない方がマシだったとなります
減価償却費は税務上の概念であり現金収支とは無関係で節税効果もあるにはありますが、不動産投資をする上で一番重要なことは現金収支です。投資としてやる以上は、実際に現金収支がプラスになったのか?が全てです
実際にシミュレーションをしてみるとわかります。この場合のシミュレーションとは、販売業者が売るために用意した見栄えのいいシミュレーションではなく、中立でよりリアルなシミュレーションです
実際に現実にありそうな架空の物件でやってみます
- 東京23区、築25年
- 価格1,890万円
- 賃料82,000円
- マンション管理費9,000円
- 修繕積立6,000円
- 管理会社費用3,300円
まずは節税額の算出
年間賃料売上964,000円
年間経費1,075,000円
(内訳)
- 固定資産税52,000円
- 修繕費70,000円
- 管理費108,000円
- その他経費299,000円
- 借入利息186,000円
- 減価償却費357,000円
不動産所得▲111,000円(年間売上ー年間経費)
節税効果約20,000円
ちなみにこれは節税効果が一番発揮される1年目のシミュレーションで、2年目以降は不動産所得がプラスとなり逆に納税が発生します
続いて投資をする上で最も重要な現金収支の計算
1年目
賃料売上964,000円
支出1,279,000円
(内訳)
- 固定資産税52,000円
- 修繕費70,000円
- 管理費108,000円
- その他経費299,000円
- 借入利息37,2000円
- 借入元本375,000円
収支合計▲315,000
2年目▲94,000
3年目▲98,000
こんな感じで毎年10万円前後の赤字になり、金利上昇の15年目以降から15万円以上の赤字になっていき、最終的には20万くらいの赤字になっていくという流れです
そしてトータル30年で500万くらいの赤字となります
節税効果は初年度に約2万円ありますが、肝心な現金収支は▲500万です
不動産投資が節税になるというのは嘘ではありませんが、微力すぎて現金収支の赤字の穴埋めにもなりません
結果この物件を買った人は間違いなく後悔するでしょう
ちなみに上記シミュレーションは住宅FP関根さんの動画から引用させて頂いてますので、各数字の根拠が知りたい方は見てみてください
販売業者が行う売るための見栄えのいいシミュレーションではなく、かなりリアルなシミュレーションとなっています
ちなみに上記のシミュレーションは30年間物件を持ち続けた場合であり、途中で売却した場合は考慮されていません
売却した場合のシミュレーション動画もありますので気になる方は見てみるといいです
持ち続けるよりはマシですが、赤字の現実は変わりません
業者の提案に乗るべきか?【否!】
結論から言うとやめておけとなります
確かに節税にはなるので嘘ではないです。嘘ではないけど、トータルマイナスになるのでやめておけという結論です
どこで電話番号を入手したのか、投資用マンションの営業電話は後をたちません
「節税になる」「年金代わりになる」と手をかえ品を変え色んな切り口で提案してきます
そんな甘い言葉を鵜呑みにせず、今一度投資の目的に照らし合わせて検討してみてください
投資としてやる以上、最終的に儲かるのか?
この1点だけが全てだということを忘れずに!
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