103万円の壁引き上げ?106万円の壁撤廃?最近よく聞く年収の壁のお話

最近年収の壁の話が話題だけど一体何の話?我々にも関係ある?

FP茂田
FP茂田

年収〇〇万円を超えると税金がかかるとか社会保険料がかかるという話で、その壁を越えるかどうかで出費が大きく変わるという話です!特に扶養内で働こうとする家庭に大きく関わる話です!

 

✔︎記事の内容

①壁の話は税金と社会保険、別々の話
②影響が大きいのは社会保険料の方
③変更後の抜け道
④いつから変更?
⑤社会保険加入のメリット
⑥税金の方の壁の話

壁の話は税金と社会保険、別々の話

年収の壁の話は昔からよく出る話題の一つですが、まずこの話題が出たらそれは税金の話をしているのか、それとも社会保険料の話をしているのかをきっちり区別することが必須です。逆にいうとこの手の話でいつも混乱してしまう人は、税金と社会保険料をごっちゃにしている人が多いです

FP茂田
FP茂田

ちなみに社会保険とは、健康保険と厚生年金を合わせたものを指すという前提も抑えておかないと混乱します!

影響が大きいのは社会保険料の方

どちらの壁も超えると出費が増えるという話には変わりないですが、特にダメージが大きいのは社会保険料の方です

というのも税金は所得が上がるにつれて段階的に少しずつ増えていきますが、社会保険料はゼロだったものが壁を越えて扶養から外れた瞬間、ドカっと発生します。具体的にいうといきなり手取りが15%減ります

では具体的に社会保険料の扶養について現行制度がどう変更されようとしているのか見ていきます

 

✔︎現行ルール

・51人以上の事業所
・週20時間以上労働
・月額88,000円以上(年106万)
・2ヶ月以上働いているor働く見込み
・学生でない

上記全てに該当する場合は扶養から外れお勤め先の社会保険加入となります

あれ?社会保険扶養の年収条件って130万円じゃなかった?

FP茂田
FP茂田

実は130万円と106万円両方あり、106万円の方は超えていても事業所の規模が小さくて該当していなかった人も多く、世間一般では130万円の方だけを意識して働いている人が圧倒的に多くいます。

ちなみに2024年10月以前は51人以上ではなく101人以上の事業所となっていました。

130万円の方は事業所規模等は関係なくシンプルに超えたら社会保険加入というルールです!

 

✔︎変更後のルール

・51人以上の事業所→5人未満の個人事務所勤務以外
・週20時間以上労働
・月額88,000円以上(年106万)→撤廃
・2ヶ月以上働いているor働く見込み
・学生でない

というわけで、事業所規模と年収の条件が変更となるようです

一応背景には、最低賃金が上昇してるので週20時間以上働いたら自ずと106万円は超えるわけだから年収の条件は撤廃しても問題ないよねという事と、厚生年金に加入した方が老後はみんな安定の方向に向かうようねという事のようです

確かに厚生年金は払っておけば、老後国民年金だけの人より貰える額が多くなるわけだからいいな!

FP茂田
FP茂田

そう思える人はある意味幸せで、僕のような輩は疑って計算したくなります。

ちなみに今まで扶養に入れていた人が扶養から外れ社会保険料を納めるようなった場合、元を取るのに28年かかります。

93歳以上生きてやっとあの時社会保険に加入しといてよかったねとなるわけです!

ガクブル:(;゙゚’ω゚’):

日本の年金制度は仕送り型で、現役世代がOBに仕送りしている仕組みです。現状の人口割合は知っての通り現役世代よりも圧倒的にOB世代の方が多いです。というわけで、表向きの背景はさておき現役世代の加入者を増やさないと仕組み上維持していくことが難しいといいうのが実態です

変更後の抜け道

単純に思いつく方法は二つです

①週20時間を超えないように働く
②働く場所を複数にして1事務所あたりで週20時間を超えないようにする

どちらの方法も直近は有効ですが、塞がれるのも時間の問題だと思います

それほど社会保険加入者を増やしたいという国の意向が強いです

ちなみに上記2つの抜け道で免れる場合、雇用保険は入れなくなりますのでそことの天秤になります

いつから変更?

明確な時期は正直分かりません。というのも通常この手の変更までのプロセスは

厚生労働省で決定→国会で決定→実施という流れですが、今は与党が過半数割れして少数与党なので、野党の反対で見直される可能性も大いにあるという状況です。

なのですぐに変更とはなりませんが、国として社会保険加入者を増やしたい意向は強いのでいずれは必ず変更になると思っておいていいでしょう

社会保険加入のメリット

一応社会保険加入のメリットも紹介しておきます

①傷病手当金が最大1年6ヶ月貰える
②障害年金が等級に応じて貰える
③出産手当て金が貰える
出産手当ては可能性あっても、傷病手当や障害年金は受け取る機会なく一生を終える人が大半なので、やはり壁ギリギリで働く人は調整して扶養内におさめたくなると思います

税金の方の壁の話

社会保険に比べインパクトは弱いので簡単に解説します。

現行のルールでは年収103万円未満は所得税がかかりません(住民税はかかる)

それが年収178万円未満までは所得税かからないように壁を引き上げましょうという、国民民主党が掲げる政策のお話しです

単純に103万円以上働いても所得税がかからなくなるわけですから、いい話ではもちろんありますがそれ以上に社会保険の扶養から外れるインパクトの方が大きいので結局は178万円の壁よりも106万円の壁(週20時間労働)を意識することになるはずです

そもそも税金の場合は、壁を越えたからといっていきなり大きく手取りが減るわけではありません。段階的に年数万円程度税金が増えていく形なので、働き損とはなりにくいのです。

まとめ

  • 年収の壁の話が出た時は、まず税金の事なのか社会保険の事なのかを区別する
  • いきなり手取りが15%減になる社会保険の壁を注視する
  • ルール変更後は年収ではなく週の労働時間を気にすべし
  • 抜け道は1事業所で週20時間未満で働くように調整(いずれは塞がれる可能性大)
  • いつから変更かは不明。今後の動向を注視すべし
  • 社会保険加入のメリットは出産手当て、傷病手当、障害年金
  • 税金の壁引き上げはインパクト弱いがプラスなお話

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