今回はみんな大好きオルカン(eMAXIS Slim全世界株式)について多くの人が勘違いしているオルカンの投資先について解説します!
そもそもなぜオルカンが人気なのかというと
- 将来的にどこの国が伸びるかなんて分からないから全世界に投資してしまおう
- 分散されている気がするから
- 手数料が安いから
- みんなが良いっていうから
こんな理由が多いと思います。確かに今後伸びる国を予想してベットしていくとなるとかなりギャンブルになるので、世界全体に投資をしてしまえばどこの国が伸びても恩恵が受けられるしリスク分散にもなると思うでしょう
しかし中身を見ていくと意外とそうでもないです
オルカンの投資先はたった47ヵ国
世界には190以上の国があると言われていますが、目論見書を見ると実際には先進国23ヵ国、新興国24ヵ国の計47ヵ国にしか投資していません
全世界と言いながら実際には全世界の1/4にしか投資していなかったなんて、、、なんか騙された気分だわ
ちなみに銘柄数で言うと約2,900銘柄で株式市場の約85%に投資されています
残り15%は?やはり全世界ではないんだね
全世界と謳っておきながら実際には47ヵ国、株式市場の85%にしか投資をしていない理由
それは投資不適格の国を除外しているからです。例えばクロアチア、アイスランド、ケニア、ナイジェリア、オマーン、ヨルダン、パキスタン、ベトナムです。これらの国々は株式市場が未成熟で取引の流動性が低いので取引が成立しずらいのです
またそもそも資本規制が厳しく海外投資家は投資できない国や、貧困、内戦、紛争等大きな問題を抱えている国も除外しています。
例えばアルゼンチン、ジャマイカ、ロシア、ウクライナ、ボツワナ、ジンバブエ、レバノン、パレスチナです
全世界だからといってこれらの国々に投資することは、爆弾を抱えるようなものです!
そしてオルカンの目指している指数は浮動株調整後時価総額加重平均を採用しています
浮動株調整後時価総額加重平均とは、簡単に言うと実際に売買できる株の中から時価総額が大きい人気企業へなるべく多く投資するということです
世界には株は株でも実際には売買できないような固定株と呼ばれる株がります。例えば親会社が持っている株や政府が持っている株、企業間の持ち合い株です。これらは買いたくても売ってもらえない株なので、まずはこの固定株を除外しているというわけです
そしてその上で各銘柄に均等に投資しているわけではなく、時価総額が大きい人気企業へは多く、逆に時価総額が少ない企業へは少なく投資しています
そしてこれらの調整は定期的に行われ自動で入れ替えられます
最初は全世界に投資していないんて騙されたと思っていたけど、これを聞くと逆になんか安心だな
安心するのはまだ早いです!
いい具合に調整されているとはいえ6割はアメリカ
ここからは具体的な比率を見ていきます
投資不適格な国や銘柄を除外し、人気企業にたくさん投資するという方針をとった結果62.3%がアメリカになってしまっています
世界経済の中心はアメリカで、我々の生活の中でもAppleやAmazon等人気商品やサービスもアメリカなので納得ではありますが、オルカン=分散されているという考え方は意外とそうでもなかったと思わされます
アメリカ以外が急成長しても大して恩恵はない
S&P500ではなくオルカンに投資している人の中には、今後アメリカ以外の国や企業が急成長した場合その恩恵を受けられると思っている人も多いと思います。
しかしそれは微々たるものです
下記は組入上位銘柄の資料です
トップ10が全てアメリカです。比率を見るとApple4.5%、Microsoft4%、Amazon2%と3企業が上位10%を占め7位のTesla以降は1%未満になっています。ということは将来的にアメリカを脅かす、急成長が期待されている中国やインド企業の比率はかなり低いわけです
期待通り急成長を遂げたとしてその恩恵は微々たるものです
将来的にアメリカ以外に期待するならオルカン+その国の投資信託を買った方がいいです
例えば最近人口で中国を抜き世界一位になったインドならiFree Nextインド株やSBI iシェアーズインド株式やeMAXISインド株式です
これならアメリカ以外が急成長した場合しっかり恩恵も受けられます
逆も然りなので要注意ではあります!
まとめ
- オルカンは実質全世界には投資していないが、それは投資不適格な国や銘柄を除外しているから
- オルカンの約6割はアメリカ
- アメリカ以外が伸びても恩恵は微々たるもの
オルカンの中身について色々と解説してきましたが、オルカンが皆さんの資産形成の手段として最適解の一つになることは間違いありませんので安心して淡々と積立し続けていきましょう!
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